2017年1月、第45代米国大統領が誕生した。

ビジネスの世界では有名で、テレビ番組のMCをつとめた経験もあるドナルド・トランプ氏だ。

アメリカに10年ほど住んでいたこともあり、アメリカ社会の全ては把握していないが、歴史の流れ、アメリカ的なこととは何かを、少しは感じる事ができた。

素人意見ですが、選挙戦から物議を醸す言動を繰り返しているトランプ氏が何故誕生し、そしてこれからのアメリカがどうなっているのか、予測していきたいとおもう。

アメリカ・ファーストって言うけれど、ずっと昔から変わらない

トランプ大統領のスローガン、「アメリカ・ファースト」は常に自国を最優先に、自国の利益の為に全ての決断を下す、という公約を掲げました。

私見ですが、これ、何十年も前から変わっていないとおもいます。

アメリカは常にアメリカ・ファーストであったし、今後も変わりなくそうあり続けるでしょう。軍を世界に張り巡らす事も、アジア一帯に勢力を拡大することも、北朝鮮や中国への牽制、またロシアへの政治的な決断かもしれませんが、これもまた、自国の軍需産業が潤うためであり、アメリカは強いのだ!と世界に主張をするためだとおもいます。

移民問題は政府の責任逃れだとおもう

いまアメリカ大きく注目されている内需における移民問題、雇用問題、そして課税問題ですが、外国人を排除するという一面的な話ではなくて、米国に存在する数百万という「違法移民」たちの排除を目標にしている。これもまた、アメリカファーストの一貫で、この違法移民達は特に低所得な米国民の仕事を奪っているという考え方です。たしかに、最低賃金以下でも仕事はするよ、という移民の人達に「奪われている」のかもしれないですが、元々アメリカ人の姿勢は極端なところがあり、世論の大きな動きとしては、問題が起きるとと常に「人の責任」にします。

結局政府が怠ってきた事を、誰かのせいにする。怒りの矛先を本質的ではないところへ向けるのが政治手法のひとつです。

今回の雇用問題ですが、アメリカの繁栄時自動産業で潤った地域がこの20年程で衰退し、不満を抱えた低中所得者層、特にあまり教育を受けていない白人層が仕事を失ったという現実があります。この白人層の持つ不満や怒りに油を注いだことで、一気に加熱しましたね。

私が昔住んでいた州は、共和党の州で、白人の低所得層が多いところでした。英語は話せても、グローバリゼーションなんて全く興味の無い人も多く、アジア人である私は差別的な事を言われることもありました。でも、その州に限らずアメリカ全土の田舎にいけば、これが普通なんですよね。

メディアに出てくる人達の意見は左寄りです。世界平和、人種はどの肌の色も平等、LGBTに権利を与えよ、等々世界が「進化」していく過程で普段は選挙にもいかないような層がクリントンを選ぶよりは、トランプを選んだ方がいいんじゃねーか、ってことでトランプ大統領の誕生に繋がっています。

また、実は高所得者層もトランプを支持した方が多かったとのことが勝因としてあげられます。彼らは決して大きな声では認めませんが、多くのミリオネア・ビリオネア(桁外れの大金持ちですね)共和党政権で税金が優遇された時代を経験しています(レーガン政権が顕著でした)。

彼らは民主党政権時代(クリントン元大統領や、オバマ元大統領時代)では、巨額の税金を毎年払いつつづけた事に嫌気がさしていることもありました。過去に共和党から立候補し選ばれた歴代大統領は皆、必ず減税をしています。共和党が大きな支援を得るための方法でもあり、高所得者層の支持は必要なのです。

ですから、ヒラリー・クリントンの勝ち目は最初から薄かった。しかし、大手メディアはこぞってクリントンを支持表明をしました。それは「左寄り」のメディアの在り方が極端に出た良い例でしょう。多くの「識者」と言われる方々は、知識階級でありリベラル層です。そしてトランプのような暴言を吐き、時代に逆行するような発言を繰りかえした人物を否定し、ヒラリーを推しました。

しかしどうなりましたか? 結果はトランプが当選。

票数はヒラリーが多かったのですが、選挙人制度の歪みにハマってしまったヒラリーが負けました。抑えるべき州で支持を取れなかった。それは多くの不満を持ち続けて我慢していた白人低所得・無教養層が関心もなく選挙にもいったことのなかった人達がこぞってトランプに一票をいれたからです。

そして、その原動力となった価値判断の根幹は「怒り」

アメリカの白人の数は、人口の70%近いことはご存じだったでしょうか?トランプが勝って当然という状況ですね。

不満をためにためた白人層の怒りを煽り、トランプ氏は票を集めました。虐げられた白人達、ラストベルトと称する忘れ去られた層です。主に低所得層の白人の人口が多いミシガン州、オハイオ州、イリノイ州、ミネソタ州は以前デトロイトを中心に工業や自動社産業が主軸で、潤った時代がありました。そして、変わりゆく時代とおもに失ってしまった仕事や生活基盤を、その時の政権に「怒り」としてぶつけます。

基本は人のせいですからね(笑)

皆、この「良かった時代」を取り戻したいという一心でトランプ氏に投票をし、先の4年間で変化を、それもかなり大きな変化を期待しています。グローバリゼーションなんて糞食らえ、です。彼らには全く興味がない。それよりも、仕事にありついて、飯がくえて、良い酒がのめたらいいんです。

人はそんなものです。他国で起きていることなんて関係ないし、興味もありません。自分たちさえよければそれでいいのです。

アメリカの大多数の人達は、世界の秩序なんてどうでもいいんです。

まとめ

極論になってしまいますが、多くのアメリカ人は、明日は我が身、明後日仕事を失うかもしれない、ご飯が食べられなくなるという恐怖心の中にいる人達に、地球の半分裏側にいる私達アジア人のことなんてどうでもよくて、まずは自分の生活を危惧するのはある意味自然で当たり前の事だとおもいます。

政党がどう、メキシコがどう、イスラムがどう、なんて関係ない。

明日、良い仕事をさせてくれ、うまいビールが飲めてステーキが食いたい。

もしかしたら、本当にそれだけなんだとおもいます。

そこまで深く考えていないし、それだけの知識を培う教育を受けているわけでもありません。上から目線で言っているのではなく、それが現実的に当たり前のようにあるのです。音字ような事が他の国でもあるともいます。日本の田舎にいって、70を過ぎたお爺ちゃんお婆ちゃんたちに、アメリカについて質問をしても、まぁ、別にどうでもいいでしょう、って返しがなくても、真剣に世界平和の事を考え行動し、思想をもって生きている人が果たしてどれくらいいるとおもいますか?

私が、皆無に等しいとあえて断言します。

表向きには何かしら適切な発言をするかもしれません。中には本当に考えている人がいるかも?しれません。

しかし、大多数はアメリカの片田舎にいて、明日は我が身を憂いている人たちとそう大差無いと思います。

トランプ大統領誕生の背景にはこのような人達が実は何百万人といるということを頭に入れて、今後の動向を見守っていくべきと考えます。

 

 

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